第49回 白金観察会報告
第49回 白金観察会報告
新緑の自然教育園で花や生き物、そのつながりを観察しよう!
2025・5・25(日) 曇り
国立科学博物館附属 自然教育園
9:30~11:30
一般参加者:親子17組(大人19名, 子供19名)、大人1名
リーダー :14名
雨続きの週末が続いていましたが、うまく雨が止み、暑くなることもない快適な観察会となりました。活発になってきた虫や、花期を終えて実をつけ始めた植物など、移り変わる季節を参加者と一緒に楽しむことができました。参加者の多くはこの自然観察会に初めて参加する方でした。
最初に見つけたのは、雨上がりでそこかしこにいるカタツムリ。「こんな小さなカタツムリ初めて見ました。殻はついたまま産まれてくるということ…!?」とさっそく気づきがあった様子。お子さんが「これは花びらかな?」と拾ってくれた白い破片が何なのか、どこから来たのか、一緒に
周りを見渡してもなかなか見つからず。上の方を探してみるとあった、あった。ヤマボウシの総苞片(そうほうへん、がくの変化したもの)でした。ちょっとした探偵気分です。道中では、芽生えから一歩進んで大きくなってきたオオバギボウシの葉、すでにしおれてしまっているムサシアブミの花、咲きかけのムラサキシキブに、花盛りのチョウジソウやスイカズラ、池のそばにはカキツバタも。白くてモシャモシャした
ハゴロモの仲間の幼虫やナナフシモドキも、よちよちと歩く姿が可愛く、皆が手乗りにしたがるくらい人気でした。
下見の時に確認していたルリタテハの幼虫は大きく立派だったのですが、ハチに寄生されてしまったようで、繭を守る(守らされている)姿を見ることになりました。そっと指を近づけてみると、もはや屍(しかばね)と化しているはずの体を一生懸命に振って威嚇する様子に、自然の厳しさと生き物の繋がりを実感した一幕でした。
終了直前、お子さんが「葉の裏にアリがいる」と言うのでどれどれ、と皆で観察。「足の数は?」「6本…?」というやりとりをしながら見ていると、飛び降りた際にスーッと糸が。クモ(アリグモ)であることがわかって、皆さん親子そろって感心しきり。「私が見つけたの!」と喜ぶ姿も印象的でした。
そのほか、ムクロジのシャボン玉とアメンボ模型での実験をした班、木から落ちたヤモリをじっくり観察できた班、鳥のペリットを水で崩して観察&考察できた班、念願のカナヘビを見られた班、子どもではなく同行者がついつい質問に答えちゃう班。今回も各班オーダーメイドな観察会となりました。なお、小学 3 年生くらいなら「寄生」「生態系」「環境」などの概念が理解でき、そこから「なぜ?」「これは何?」とより深く考えることもできたようです。
大人用アンケートでは、子どもたちの感性や自然への興味の持ち方に驚き、子どもたちが楽しむ様子を見て「また来ます」との声が多数あり。参加者、リーダーとも充実した 1 日となりました。