タマカン「春の日影沢林道を歩く」
2024年4月4日(木) 高尾日影沢林道
9:30~13:15 曇りコース:日影沢林道ポンプ場で折り返し。
報告:長谷川篤、井上則子
★昨日までの雨も上がり、当日のコース(日影~キャンプ場~ポンプ場・折り返し~キャンプ場)を予定通りに且つ安全に歩くことができました。班ごとに沢沿いの林道を歩きながら春の多様な草花や芽吹きなどに触れ、日影沢の自然の豊かさを十分に堪能することができたと思います。
沢沿いの林道で見られた花は下見の時よりも花や芽吹きがかなり進んでいました。
スプリング・エフェメラルと呼ばれる早春植物のニリンソウ群生、キクザキイチゲ、スミレの仲間はアオイスミレ、タチツボスミレ、ナガバノスミレサイシン、マルバスミレに加え、エイザンスミレ、ヒカゲスミレ、タカオスミレも見られました。見頃のエドヒガン、ヤマブキ、モミジイチゴ、ミツバツツジ、株立ちが多いアブラチャン、葉序や香りが特徴のコクサギも開花。カツラが花から新葉の芽吹きへ春らしい色合いになりました。
湿った林道にはカントウミヤマカタバミ、ユリワサビ、マルバコンロンソウ、ヤマルリソウ、フタバアオイ、コチャルメルソウ、ミミガタテンナンショウ。ウラシマソウ、ツルカノコソウも花が出てきました。ヨゴレネコノメ、ネコノメソウ、ヤマネコノメソウ、と3種類のネコノメソウをじっくり見比べることができました。
雨上がりで昆虫は少なく、カゲロウ(亜成虫)、テングチョウ、カメムシの仲間が見られました。
子犬が鳴くようなタゴガエルの声が、林道山側の水がしみ出す岩の隙間からよく聞こえました。
野鳥はミソサザイの複雑で長いさえずりが美しく、イカル、ウグイス、シジュウカラのさえずりもよく響いていました。
日影沢には、植物にとっての様々な光の環境や土壌の水分環境などがあり、野鳥等の動物にとっての様々な営巣、採餌、避難場所などがあり、これらの生息環境の多様性が生物の多様性の基盤となっていることを改めて実感しました。日影沢林道は、歩くたびに多くの新鮮な出会いや発見があります。(長谷川)
★私は自然観察指導員になりまして、まだ1年たらずで、今回は勉強をかねて初めてタマカンの観察会に参加しました。日影キャンプ場のエドヒガン桜の大木が花盛りで、日影沢はアブラチャンの黄や木々の新芽の淡い緑に彩られ、春の息吹に溢れていました。林道沿いにはタカオスミレを始め様々な種類のスミレ、ニリンソウやヤマルリソウなど可憐な花々が見られましたが、最も印象に残った花は、ウラシマソウでした。リーダーからマムシグサとミミガタテンナンショウとの区別の仕方を教わり、長い紐状のものがついていることから付いた名であることを知りました。その形態から浦島太郎を思った先人の「命名センス」に脱帽しました。(井上)